60代の恋愛観
「60歳になってもまだ恋愛ですか?」という問いかけは、すでに時代遅れです。60代での恋愛は決して恥ずかしいものではありません。かつては否定的な価値観が根強くありましたが、現代をそれだけで語ることはできません。身体は年齢とともに衰えるかもしれませんが、心は10代の頃のような若さを保ち続けるとも言えます。現代人は固定観念や束縛からの解放を強く望んでいます。結婚制度も長年、時代に合わないと指摘されてきました。一定のルールは必要ですが、自由になれば自由でいられるのが現代の常識です。
60代で恋愛することは自然そのものです。むしろ、自分を若々しく保つ最良の方法です。容姿は変わっても、心の若さは失われません。さまざまな考え方があるでしょうが、選択するのは自分自身です。友人の助言は参考になっても、他人の意見は無責任なことが多いものです。恋愛に限らず、欲求を認め、行動することは人間の本質です。知識を得て、判断し、行動し、達成を目指す――人はこのステップを自然に踏みます。これを抑え込むと、老化が加速すると私は考えます。すべてを我慢すれば、何もできなくなるのは当然です。
かつては我慢が美徳とされた時代もあり、今もその考えが残るかもしれません。しかし、そうした人々は若い頃に多くの経験を積んでいる場合が多いものです。経験がなければ、望む世界や価値観を追い求める機会は失われます。死を目前にするならともかく、60代にはあと20年、30年、40年と生きる可能性があります。60代は可能性に満ちた年齢であり、20代、30代、40代よりも深い思考や洞察力を発揮できる時期です。
それなのに、「老後は養老院や病院で過ごす」というイメージが一般的です。60代でさえ養老院を選ぶ人もいます。しかし、考え方を変え、自由に生き、納税しながら自立した生活を築く60代こそ、日本社会に求められています。保障に頼りすぎると、国の借金や若者の負担が増すばかりです。
人間もまた動物です。恋愛は生きている証であり、活力の源です。それがなければ、老いて衰えるだけでしょう。獲物をとれない老いた猿はわずかな食料でしのぎ、やがて力尽きます。人間の行く末は時にそれ以上に厳しいかもしれません。
いつまでも若くある必要はありません。しかし、その年齢にふさわしい生き方をためらわず楽しみ、実践することは、社会的な活動にも大きな影響を与えます。恋愛は生きる力を呼び覚ます最初のきっかけかもしれません。皆さんがためらわず行動し、充実した人生を歩めることを願っています。