3.硝酸銀溶液をフレスコに塗布すると感光と同じ反応を示すのはなぜ?Grokはんよりの回答。

 

3.硝酸銀溶液をフレスコに塗布すると感光と同じ反応を示すのはなぜ?
 
硝酸銀(AgNO₃)溶液をフレスコ(湿った石灰モルタル)に塗布すると、感光性を持つ銀化合物が生成されるため、感光と同じ反応を示します。以下にその理由を説明します:
  1. 硝酸銀と石灰の反応: フレスコの表面は主に水酸化カルシウム(Ca(OH)₂)で構成されています。硝酸銀溶液が塗布されると、硝酸銀と水酸化カルシウムが反応し、以下のような化学反応が起こります:
    2AgNO₃ + Ca(OH)₂ \rightarrow 2AgOH + Ca(NO₃)₂
    ただし、AgOH(水酸化銀)は不安定で、すぐに酸化銀(Ag₂O)や他の銀化合物に変化します:
    2AgOH \rightarrow Ag₂O + H₂O
  2. 感光性銀化合物の生成: 酸化銀(Ag₂O)やその他の銀化合物(特にハロゲン化銀のような化合物が環境中の微量なハロゲンと反応して生成される場合)は、光に敏感です。これらの化合物は光(特に紫外線や可視光)を吸収すると、銀イオン(Ag⁺)が還元されて金属銀(Ag⁰)が生成される光化学反応を起こします:
    2Ag⁺ + h\nu \rightarrow 2Ag⁰
    この反応は、写真フィルムや古典的な写真技術で使用されるハロゲン化銀(AgCl、AgBrなど)の感光反応と類似しています。
  3. フレスコの環境による促進: フレスコの湿った石灰モルタルはアルカリ性環境を提供し、硝酸銀の反応を促進します。また、モルタル中の微量な塩化物イオン(Cl⁻)やその他のハロゲンイオンが存在する場合、これらが硝酸銀と反応して塩化銀(AgCl)などの感光性ハロゲン化銀を形成する可能性があります:
    AgNO₃ + Cl⁻ \rightarrow AgCl + NO₃⁻
    塩化銀は特に光に敏感で、写真感光材料としてよく知られています。
  4. 光による変化の観察: 生成された銀化合物が光に曝されると、還元された金属銀が微細な粒子として析出し、表面が暗く変色します。この変色は、写真の現像プロセスで画像が形成されるのと同じ原理に基づいています。
結論
硝酸銀溶液をフレスコに塗布すると、水酸化カルシウムや微量なハロゲンイオンと反応して、酸化銀やハロゲン化銀などの感光性化合物が生成されます。これらの化合物が光に曝されることで光化学反応が起こり、金属銀が析出して変色するため、感光と同じ反応を示します。この現象は、フレスコのアルカリ性環境と硝酸銀の化学的性質が組み合わさることで生じます。

このブログの人気の投稿

フレスコ紙の酸化実験 サイアノタイプ支持体を考える。

絵画の基本 支持体を学ぼう

農業を縮小して写真の研究を本格的に開始

そういう運命や 104話

雨やん 71話