父の姿

ひとつの思い出がある。
いつだったか、それは忘れたが
米の収穫を終えライスセンターから米を運んで来た。
それぞれに配達する量を数えていた。

父が言う。
今年はよく採れた。
あのおばあちゃんは飯も食われんくらい困っとるけんやってくる。
「あのお婆さんはご飯も食べれない(買えない)くらい困っているから差し上げる。」
そう言って30kgを2体車に積んで運んで行った。

その姿や一言は今でも思い出に残る。
いや、思い出というより、今後の私の農に対する姿勢の基本になるだろう。
母に今年の俺の米をそのお婆さんに持って行っていいからと伝えた。

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