自然農への疑問から

多くの自然農を見てきたが、私には疑問が常にあった。
森林農法
草生栽培
不耕起栽培
無施肥栽培

それらは見習うべきことは多かったが、短刀直入にいうなら収量が少ないという事だ。
多収を実現している優秀な生産者もいるが、全ての圃場で実現できるかというと難しくハードルが高いので普及にまでは至ってない。
もう一つは何のための農業かという事。
2018年現在で75億5千万人の人口だが、分業化した社会では個人が生産することは不可能で農業は皆の食料を生産しなくてはいけないという命題がある。
日本の人口は1.268億、農業就業人口181.6万人。
数字での計算だが、1人の生産者が70人分の食料を生産する事になる。
自然農では到底賄えないのではないかと考えられる。

私の考えは近代以前の農業の再現と発展で、農薬や化学肥料が当たり前になかった時代。
環境に負荷も少なく生物多様性が可能であった時代に視点をもって取り組む。

最後に自然農を否定するものではない。
そういう農業が現代に現れるのは当たり前の現象だと思う。
むしろ怖いのは90億の時代と託けて遺伝子操作で作った多収品目を生産したり、それには化学農薬や生物農薬が必要だと啓蒙している現代の主流の流れが怖い。

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