温床その後

発酵温床は約1週間35度程で温度をキープ。サンマルツァーノもニラも発芽して順調に育つ。温床の上の苗は早朝でも25度。日中は換気をしないと50度近くまで上がるので注意が必要だ。全く化石燃料を使わず発酵熱だけで高温を作り出せる事を発見した先人の知恵は素晴らしい。昨年のかぼちゃの苗はずっとストーブを使い灯油を燃やしていた。手間もかかり経費もかかりその上環境にも影響する。こんな事は二度としないなと当時思っていた。そこまでして農業をしなければいけないのだろうか。皆が同じ様に暖房を使って苗を作っているから同時期に農作物が出来る。市場で値段が高くなる事もなく本当に意味がない事だと反省していた。温床の起源を調べるがわからない。しかし近代では東北地方での稲作の育苗に使用されたと記録されていた。その中で発酵の材料には都市ゴミも入れたとあった。恐らくそれは残飯などの生ゴミであろう。農作物が田舎で作られ都市で消費され残飯は再び田舎に帰り熱源として利用され最後は肥料として土に還元される。とても合理的な循環が出来ている。果たして過去に出来ていた事が現代ではどうだろうか。これ以上言うまでも無い。近代から現代までの発展は利便性や労働力の負担を減らす事であって進化では無い。むしろ農業従事者を減らし農地の継承が途絶え耕作放棄地さえ生む要因だったのではないか。保守的に昔に帰ろうなどは私も考えないが、過去の遺産の原理を進化させる方向に取り組む時代に来たのだ。

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