Agricultural Biodiversity

マンゲツモチ
多年草栽培にこまる 

九州の食卓さんにて新米のネット及び店舗での販売をしています。より多くの方に私の作る米を通して自然や生物環境、多様性の必要さ、健康や食の大切さを感じて頂けたら幸いです。 全て農薬、化学肥料、動物性肥料を使っていません。

 
Agricultural Biodiversity
一年中水を引ける田んぼには昨年収穫後の秋から冬も春も水を入れ、夏の中干しという農業技術も使いません。
なので私が環境指標生物にしているカエル達も多種にわたって生息出来ています。
冬の2月に卵を産むアカガエルも春に卵を産む多くのカエルや幼体期間の長いトノサマガエルも皆が生きれる環境の田んぼで育ちました。
収穫2週間前に田んぼを乾かす必要があるので水を落とし収穫します。 
そうして出来たお米です。
 
その環境で生まれた生物たちと水と太陽が稲という植物に養分を提供して育っているようです。
なので外から肥料として入れた事はありません。
土、水、太陽と生物たちが稲を成長させ私たちが食べるお米が出来ました。
 
私はそんな二次的自然の環境を作り、見守っただけ。
あらゆる種族が生きれる生物多様性を重視する農業が今後の農業のみならず、環境や人、全てを包括する地球の穏やかな維持に必要な事だと私は考えています。
 
Japonica rice,  Perennial cultivation
多年草栽培の米は昨年の切株から翌年春に新しい芽が萌芽し稲として成長し収穫したものです。
それを蘖(ひこばえ)と言います。
種で育てた稲ではないんですね。
芽が出る時期は稲が決めます。
 
 
私たちが食べるジャポニカ種の米は元々多年生の形質を持つ植物です。
それを一年草化して栽培するのがこれまでの農業です。
それは先人達の知恵でした。
遅く植えることで涼しい秋に収穫して品質の良い美味しい米が出来たのです。
現代では当たり前の事ですが、その為には種を採取し、播種時期を決め、種から育てる必要があります。
きっと長い年月をかけて今の様な農業に辿りついたのでしょう。
 



 
私には多年草栽培が農家の生業として有益なのかは現時点では判りませんが、ひとつの研究としてずっと見続けた稲たちは慣行の農業の様に管理された稲とは成長の仕方が違いました。
稲株が大きく、生命力溢れる様な稲が育ちました。
しかし、夏に登熟するので今年度はウンカの被害が大きく、収穫量も玄米品質も低下しました。
まだまだ多くの課題がある事を痛感した次第です。
新米を食べた妻が、でも美味しいよと言ってくれたので、「多年草栽培にこまる2020」として商品化しました。
 
マンゲツモチは今年初めて種から植え育てました。
本当に美味しいもち米です。

2020/10/4   yoshiro shinkawa
 

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