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大地を耕す

甲佐にて田起こしからヘアリーベッチの種を蒔いて来季に備える。麦の播種も始まる。そして新しいエリアの耕作放棄地を田んぼ化へと開墾作業。まだまだ忙しい。 環境保全も楽ではない。でもこれは私が始めた大事な仕事だと自分に言い聞かせる。 6年前に10aの圃場であったが、来季は500aが農薬と化成肥料不使用エリアへと変わる。その内CASA BLANCA圃場200aでは肥料さえ使わない事が可能だと実証出来始めている。 多くの生物たちの姿も見られるようになって来た。 しかし大型機械や化石燃料を使わない不耕起圃場の実現は未だ出来ていない。CASA BLANCA圃場でこれから取り組む大きなテーマである。  

冬期湛水始まる

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  この田んぼでの生物多様性の始まりはここから。  昨年は秋に田起こしして代掻きしたので野鳥にとって格好の採餌場になってしまい、2月に産卵したアカガエルのオタマジャクシは春までに全滅した。 稲株や藁を残す事によって生物には無数の隠れ場が出来、野鳥は群れで泳いで捕食できなくなる。 多くの小さな生物達の生存数が増えることを期待する。

甘さが口に残る

美味しいと言われる米を食べてみた。なるほど甘い。しかしずっと甘さが口に残る。 私の米はしっかりと米の味があって甘さは後からじんわり来てすっと消える。 甘さは唾液で分解されて出来た麦芽糖で米のアミロペクチンとアミロースの比率で決まる。しかし最近の甘い米は分解前から甘い気がする。  また肥料で育てた作物は甘くなる傾向が強い。私が甘い米を好きでないのは甘さが残る口当たりの悪さと、胃もたれするような体に馴染まない違和感を感じるからだ。

やつだ農園数値目標達成

4600kg(328kg/10a)の米の生産をしたやつだ農園。2年目にして目標数値をクリア出来た。これで病院入院患者さんが食べる一年分の米を生産出来たことになる。反あたり6俵弱とまだまだ今後の伸びしろはある。耕作放棄地の田んぼが元に戻るようになるには数年かかるが、無農薬有機栽培米のプロジェクトは年々圃場面積を拡大して行く。  生物多様性を手段であり目的とする農薬肥料不使用のCASA BLANCA圃場では2640kg(冬期湛水田360kg/10a  無施肥冬季乾田235kg/10a)を生産。

こども食堂にお米を寄贈

僅か2俵だが今年は子ども食堂を運営するNPO法人にしはらたんぽぽハウスさんに寄贈できた。 現在はコロナなどの関係で食堂ではなくこども弁当などを作っているという。 米が足りないのでとても欲しいという声を友人から聞いた。 来年は返そうと思っていた市民農園の田んぼで彼らの為に専用の田を作ってみたい。  米を手にした彼らの喜ぶ顔をみた時、私自身が大きなやりがいを頂いた気がした。

夜叉五倍子

ヤシャブシ ( カバノキ科ハンノキ属 日本固有種 ) お歯黒に使われオハグロの木とも呼ばれた。実は染料として使える。 この木の葉っぱを昔は田んぼの肥料として使ったとの記述があった。 根っこには根粒菌が共生し土を豊かにする。葉の養分やタンニン鉄などが稲作にいいという。 これも施肥の一つだろうが田んぼの周りに植えて自然と葉が落ちるように設計したい。 何故か今年の森林組合の苗木注文にあったので25本予約購入した。

無農薬の次は肥料不使用

既に農薬 肥料不使用は米に関しては達成できており、冬期湛水の田んぼでは収穫量も6俵前後で推移している。 肥料不使用は今後の農業のあり方を左右する重大事項だ。 なぜなら現行農業は大型機械や燃料消費量、農薬や化成肥料製造時のエネルギー量を総計すれは、圃場での生産物エネルギーよりも多いのではないかと言われている点だ。 つまり地球規模で考えるなら現行農業はエネルギー生産ではなくエネルギー消費をしているという事。   課題は複雑で無施肥による収量低下や有機肥料過多による環境汚染、外来種雑草、薬品残留などがある。   私の取り組みは問題の要因をシンプルにして、農薬 肥料不使用でいかに収穫量を確保または向上させるかの生産方を今後展開していきたい。

稲刈りも明日まで

連日の稲刈りも明日で終わる。 確かに田植えをして4か月で収穫するのだが、長いなという印象が強い。それだけ充実した時間ではあるが。そしてこの仕事はこの先何十年も続くのだ。まあそれもいい。 頭と腕が日焼けで熱い。ひりひりとした痛み。 もう真っ黒な皮膚だがそれでもまだ焼けるのかとさえ思ってしまう。 そうだな。 農薬も肥料も使わず7俵程の収穫量があった。 生物たちも増えてきた。 トノサマガエルがよく居る田んぼ。アカハライモリも個体数が増えてきた。いろんな生物が増えてきた。 でもね。なんか物足りない。 私が知っている昭和の田んぼはもっと生命力に溢れていたんだ。 違うんだよな。 何がそうさせていたのだろうか? まだまだ先は長い。

120本のブンケツ

昨年の稲株から育った多年草稲は大きな株が多く。最大120本を超えるブンケツであった。 こんなに大きな稲株は見たことがない。これまで最高は80本であったが記録を超えた。ブンケツ期間が長いと稲はこのように育つのかと見ていた。写真を撮るのを忘れていたな。でも目でしっかり焼き付けている。そういう記憶の方が後々まで残る。

稲刈りが続く

小さな田んぼは麦用のコンバインで稲を刈る。格安で買ったコンバインだがなかなか仕事をしてくれる。明日は6反程の稲刈り。刈り取り専門の相方A氏に頼む。 私はライスセンターまで何度も往復する事になるだろう。嬉しい忙しさだ。今年は台風こそあったが概ね天候には恵まれ豊作の勢い。 残る3日で終わる予定。 そう言えば今日夕暮れに笑ったな。私としては珍しい。

5日間の休日

次の稲刈りまで時間が出来る。

人はそんなに強くない

でも弱さを知った人間は相当強い。 私は自分の弱さを知る為の長い長い時間があった。それは現在も続いているが知れば知るほどかつて経験した事には動じなくなり尚且つ対処出来るようになっている。 倒れようが一時的に諦めようが何度でも起き上がる事が大事ですよ。 キツイ時さえ何処かに心の余裕が生まれます。  

ニカメイガの大量発生

甲佐の圃場では稲刈り時に大量のニカメイガを確認。 私が見て確認した所では一平方メートルに数百匹ほどがいた。 これは何らかの対策をしないと来年は被害が大きいだろう。 こんなに大量な数を見たことがないが、かつては稲作で大きな被害を全国で襲ったという。 現代は箱苗時の農薬散布で防除しているが私たちは無農薬であるが故に見落とせない。 圃場の生態系がアンバランスではないのか?という視点でも捉える必要がある。     「ニカメイガとは2化性のメイガ、1年に成虫が2回発生する事から名付けられた小型の蛾で、幼虫は茎の中で成長し稲穂が枯れて実らない。この時期の幼虫は稲の茎で越冬して来春3月にふ化し5月に成虫となって苗にまた産卵を行う。駆除は稲わらを焼いたり土を漉き込む対策が必要。」    

欲 車中にて

歳をとると欲がなくなるという。それは恐らく個人の話だ。 私はそうなりたくないといつも思う。 創業者はそうである。年齢は関係ない。 今行動している仕事を今後どうにかして永続的に価値あるものにしたい。 なぜなら大いに価値があるからだ。 私一代で終わらせられない。

焦ったい

焦ったいってそう思うけど。それはただ静観ではなく真剣で冷静な行動。 物事はそう簡単ではないな。

タコ トマト モッツァレアのカルツォーネ

カルツォーネとはピザ生地で包み焼いたもの。   自家製南部小麦を発酵させて生地を作る。  薄く伸ばして、茹でタコ、トマト、モッツァレラチーズ、大蒜、胡椒、塩、自家製ペッパーオイルを乗せ包む。 オーブン200度前後で20分。

同じ場所に留まると見えなくなる

アスリート達は肉体の限界を迎えた時に脳の意識を変える事でまた己の限界を突破していく。 身体的な限界よりも意識などの脳を変えていく事が大切だという。 私たちはアスリートの様に身体に多大な負荷をかける必要は日常生活ではそうはない。 しかし脳を鍛えて新しい意識を得て生活や仕事に応用できるならそれは素晴らしい日々だろう。 特に最近私はその必要性を考える。   写真で新しいものの見え方を得たい時には比較スケールを変えたりする。 例えば日本の風景を撮るために海外の風景を撮っている写真家は多い。 世界を知ることで日本の風景の特異性に気づくという。 その方法論はよく知っている。 私は少々今の人生に飽き飽きしている。 今より更に大きなスケールや全く違った世界観のスケールが必要だ。

小麦播種

南部小麦とカムット小麦の播種を昨日行う。 昨年の実験では通常10月終わりから11月にかけて行う播種よりも9月後半に播種したものがよく育ち、梅雨前に収穫できて品質が良かったからだ。  九州では小麦は育たないというがそれは田での二毛作が原因で稲刈りが終わってからの播種となり、早くて10月半ばから11月にかけてとなっているからではないだろうか。 気温的にはその頃が適正だが、収穫期は梅雨にあたるので栽培法としては適正ではないと考えている。 さて2年目となる9月播種の小麦は来年もまたよく実るだろうか。  

迎合主義の台頭

自らの考えがなく他人と合わせて行動する。 その様な行動を最近では集団行動での協調性だと勘違いする人が増えてきた。 問題は基本的な考えがないので間違った方向に走る事が多い。 これは ポピュリズム などの政治思想だけの世界ではなく、一般人の生活の中にこそ深く浸透している。特に田舎の観念様式はまさにその考えだ。 さてこれを稲作に置き換えると田植えの早植がそうだ 。 農家に考えはなくあの人がもう苗の準備をしているから私もするという反応が連鎖して今では多くの農家が以前より一月以上早く田植えをしている。 温暖化で本来なら遅くするべきだがその様な事は考えていない。 結果どうなるかと言うと品質が悪い2等米が増える。 挙句には品種がもう古いからヒノヒカリは良くないという思考に走るようだ。   先人の知恵から生まれた「青稲褒めるばかり」という言葉さえ風化した。  しかし現代でこの言葉を皆に伝えても聞く耳はないだろう。 品質の提供や利益を得る事よりも他人と合わせて生きる方が差しさわりが無いのだろうか。 気候に適正でないため指定回数以上の農薬を多用する結果になり経費がかさみ労働が増え安全性の疑われる品質の米を生産する事になる。 迎合主義とはそのような結果しか生まない。

美味しすぎるしば漬け

京都大原出身の女性から教わったしば漬けは2ヶ月目を迎え最高に美味しくなりました。 一月目よりも酸っぱさが増した。新漬けでは一番美味しい頃でしょうね。 ネットでは1週間とか2週間とかで食べてる様だけど、いえいえ2ヶ月目からですよ。 この美味しさをそのまま保つには冷凍です。 乳酸菌は冷凍しても死なず、また梅雨の季節に解凍して食べると食欲が増すとの事。  今日は豚コマで唐揚げ作ったけど、締めはしば漬けと熊本特産こるまめがなんとも旨い。

青稲褒めるばかり

昔の人は言った。 早植えして苗が育ち夏にはどこよりも青い稲が勢いよく繁っている。しかし収穫期には出来の悪い米ばかり。 青稲褒めるばかり。 そんな事してもなにんならんたい。 稲を見ている時に近くの老人から教わった。

米と麦

栽培品目を2種とする。   米の無農薬、無施肥栽培の基本は確立した。あとは独自の多品種混合栽培の為の種の選定に取り組む。 法人化した農園は圃場拡大や人の育成が今後の仕事。 作業効率の為の圃場環境作り、大手の卸先などが課題。   麦の無農薬、無施肥栽培もおおよそ基本はできた。播種月の決定が課題。パスタやうどん麺などの製品化で収益を確保する。

かぼちゃの顔は見たくない

かぼちゃはね食べるのも好きじゃないのが災いするのか、うまく出来ませんね、私には。 かぼちゃ栽培から撤退!

収穫の秋

今日から来月半ばまでかぼちゃや米の収穫が始まる。 田んぼは台風後の手直しが終わり水を入れる事ができた。さほど被害は大きくない様だ。 皆んなとの収穫祭が喜べるよう頑張ろうか。  

ECMWF 9/19日月曜12時 定時予測記録

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 9/15    9/16 9/17 9/18 9/19   18日の深夜に風速35mを超えて過ぎ去った台風はこの地区でも稲が倒伏した。

日曜日の台風

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相変わらず気象庁は予測さえ出していないが日曜日に九州に影響のある台風が来る。 また田んぼの土が緩んでいるので金曜日まで乾かす。 中干しは風対策には必須だな。来年はトノサマガエルの成体への変態に影響がないどこかで徹底的にする事が大事だ。   トノサマガエル生活サイクル  https://www.cgr.mlit.go.jp/ootagawa/Bio/amphi/index420.htm  

かぼちゃは赤字

かぼちゃの収入は赤字に近い。収支より同じ時間をかけるなら稲作の面積を増やしたほうがいいと結論。来年は米と麦の加工品へシフト。

連日甲佐へ

甲佐の山手は深刻な水不足。乾き切った田んぼも見受けられる。 水利を工夫したりポンプを動かしてどうにか水を確保しているが、今週でも雨が降らないなら川から水がなくなるだろう。この地域ではかつて水争いが頻繁にあったという。他人の田んぼの水利に大きな石を投げ込んだり、田んぼの水口に草を入れて水を止めたりと日常茶飯事に今でもある。信じられない事だが水のない地域では良くあることの様だ。その様なことに対処する術はない。聞く耳もないからだ。太刀の悪い動物の仕業と思うしかない。   さて稲とは驚く植物だ。 干上がって乾燥した田んぼの稲は枯れるかと思えばそうでもない。 葉が丸まっても生きている。 わずかな雨でも穂をつけ実がなる。 このような状況は私の住む地では見れないので興味深く観察する。

無農薬のかぼちゃ収穫始め

夏播きかぼちゃで無農薬栽培が可能となった。 放任栽培にして様子を見ていた。うどんこ病も多少発生したが元気なのでそのままにしていたが良いサイズのかぼちゃが出来たので収穫を始める。放任栽培だと収穫時期がばらばらになるのが問題点だがまずは成功。 やはり植物を芽かきや摘芯などして傷つけるのは病気に対しての抵抗性を弱めるようだ。   植物性有機肥料と化成肥料を使用。 理由は動物性肥料を使うと外来種の雑草がものすごく発生する。圃場には何年も前に入れた牛糞堆肥に混じった外来種雑草が未だ発生する。動物性肥料は使えず適正な量の半分以下を化成肥料にして追肥として表土表面に撒く様にしている。この方法なら土に混ぜるやり方より土中環境への変化を和らいでくれないかと期待している。

数字を追う

無農薬緑肥栽培が実現できた昨年から今年甲佐の稲作は収穫量の数を目標にしてきた。 昨年はヒエが繁殖し反平均4俵という結果であった。しかし耕作放棄地からの初年度としては良い結果である。 今年は昨年成績の良かった、つやきらりを全圃場に植えて反7俵を目標数にしている。昨年より1週間の遅植えが災いしたのか分けつ数が足りないが雑草も抑制でき病気もなく育成は順調だ。  私の圃場はにこまる8俵 旭5俵にしている。近い数字は出せそうだ。

60本以上の出穂

少し大きな稲の株を数えると64本程のブンケツを確認。なかなかの出来だ。平均すると45本ほどだろうか。台風が穏やかなら今年は豊作だな。 気候変動にもそれなりに対応しながら管理できるようになって来た。 基本が大事。それも原理を一から知る事が大切だ。何故なら応用が出来る。

HAUSER & Caroline Campbell - Czardas

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8割確保

ヨーロッパの気象予測ECMWFのお蔭で2週間前から台風を予測できた。  圃場によって条件を変えながら米の花をずっと観察する。  雨や台風の影響で受粉が出来ない事を避けたいからだ。 米の花の開花条件は光と温度。 晴天で気温30度がベスト。 水分量は必要だが、ひたひたの飽水管理で気温によって上昇するほうがいい。   この条件の中で一つだけ水分量を減らす必要があった。 中干を強くしていないので土が緩く、台風の風では稲が根元から倒れる。しかし花を咲かせる時期は稲も相当の水を必要とする。間断灌漑で緩やかに乾かすがなかなか土は固くならなかった。しかし、圃場環境を高温に保てたので冷たいかけ流しの田んぼの稲はまだ花が4割ほどだが、8割以上開花した。 今年は豊作の勢いであったので一先ず量を確保する。 後は風対策が不安だ。土は多少固くなったが緩いままなので防風ネットの設置を考えている。