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第3章 祇園にて 300話
老舗の呉服店・ぎおん齋藤で衣装を決めたあと、二人は建仁寺へ。 風神雷神を眺め、二年坂・三年坂でお茶をして、地主神社へ向かう。 目をつぶって石から石へ辿り着ければ恋愛成就――そんな言い伝えがある。 「ふじこはん、おもしろそうやし、やってみよか」 「へー。ええで。もう成就してます(笑)神様もこまるえ」 「今日は泊まりにするけ?」 「京都駅前の普通のホテル、予約入れといたで」 「式は明日じゃなくてもええ。ゆっくりしてもええしな」 「今、八坂神社で式あげましょか?(笑)」 「それええな(笑)。ほな、行くで!」 ――ちゅちゅんがちゅん! 二礼、二拍手。 「おー」 「うおー」 ……一礼。 めでた めでたの 若松さまよ 枝も(チョイチョイ)栄えりゃ 葉も繁る ――ハ ヤッショ マカショ シャンシャンシャン ソレ 「さあ、でけた。これで、わしら夫婦やで」 「へー。ほんまに夫婦になってもーたなぁ……。嬉し(笑)」
微小位相差の可視化
第3章 寿司屋にて 292話
暖簾をくぐる。 「特上ふたつ、赤だしもお願いします」 「特上!へい 赤だし2つー」 鮃 甲烏賊 本間鮪の大トロ 小鰭 穴子 赤貝 卵 車海老の半茹で イクラ 馬糞海胆 等々 「旨いですね」 「でもそちらも雰囲気ありますね。こっちの出身ではないでしょ?」 「いいえ。熊本です」 「でも喋り方や物腰が違います」 「あー……かくかくしかじか……」 「そうなんですね。写真家で写真の研究もされてるんですね」 「はい」 「かっこいいです」 連れの女性がにこにこ。 ぼく様、無表情のまま <やめてくれー、その話題は! 照れるー> と、心の中で叫ぶ。 「お勘定お願いね」 「へい。あちらで」 「1万4千8百円です」 「はい」 「ごちそうさま」 単品も頼んだのに相変わらず熊本は安いわ。。
第3章 ぎおん齋藤 295話
「不二子はん、ちょっと京都行こか」 「へぇ。ええどすな。何か目的あるんどすか?」 「そら、あるに決まっとるやろ。 白無垢、色打掛、引き振袖――選びに行こ思て」 「あらま」 「京都祇園の、ぎをん齋藤さんとこがええ言うて聞いたさかい、見に行こ」 「へぇ。そらもう喜んで」 「自家製仕上げの“京染織”らしいで。唯一無二やて(笑)」 「……そやけど、お金は大丈夫どすか?」 「うーん、だいじょばないから、 軒下の隠し金庫から持ってきた(笑)」 「あらま。そないなん、ありましたんか?」 「まだあるで。山の大杉が三本あってな、 その真ん中は、えらいことザクザク埋まっとるらしいわ」 「……分かり申した。 そら五百万では済ましまへんえ」 「うちもまだ着物、ようけ持っとるさかい、それでええ。 白無垢は借りたらよろし」 「そうか」 「ほな、色打掛と引き振袖、見に行こか」 「土曜の便、予約お願いできるか? そろそろ仕事の準備やし」 「へぇ。二人揃っては、久しぶりの京都。楽しみどす」 「式は、隣りの慈雲寺さんで決めとるさかい(笑)」 「そら安うて、よろしいこと(笑)」





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