田んぼの足し算引き算

無施肥って、いいことだと思われてるよね。

でも僕は、無施肥は良くないというか不自然だと思う。

食味は確かにいいんだよ。タンパク質が少なくなって、香りが良くて、甘すぎなくて、食感もいい。古くなっても味落ちが緩やか。

ただ、田んぼには足し算と引き算がある。

米を収穫すれば、田んぼから引き算される。肥料を入れないなら、足し算は自然任せになる。1反7俵とれたら、420kgを田んぼから持ち出す。これだけでもわかるでしょ?なんで補わないのか。

近年の多収米は、施肥があって初めて多収できる品種だから、無施肥だとむしろ収量が低くなる。足し算が足りないところで、引き算だけ大きい品種を育てているようなもの。

今年、同じ無施肥の圃場で、赤米の神丹穂とつきあかりを比べた。神丹穂は平均30本の分けつで、穂長は27cmくらい。多収米であるはずのにこまるやつきあかりは、予想以上に分けつも穂長も短かった。

古代米になるほど、無施肥でも良く育つ。引き算が小さい品種なんだと思う。

だから無施肥を続けるなら、品種選びが大事。そこは今後の課題。

追記 一般に言われていること

無施肥でも稲が育つのは、本当だ。世界の長期試験には、無施肥のまま何十年も収量が続いた例がある。

水田の足し算は、かんがい水が運ぶ養分、藍藻などが取り込む窒素、土の有機物がゆっくり出す窒素。畑より、無施肥でも続きやすい。

ただ、その収量は、肥料を入れた田より低いところで落ち着く。

それと、リンやカリウムは、米や藁で持ち出した引き算が戻りにくい。長く続けると、土の中で減っていくと言われている。

無施肥は育たないんじゃなくて、低いところで続く。ただ、引き算が足し算を上回っていないか、そこを見ないで続けるのは不自然だと思うんだ。

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