田植えの有機的デザイン

古来から伝わる田んぼは曲線や直線で構成され、集合体は複雑な有機的デザインとなっている。
田植えの仕方もその曲線を利用した植え方もあり、決して直線ばかりの植え方ではない。
私はこの構成に着目。
 
昨年まで実践していた田植えは直線で植え、スリットを入れて風通しを良くする実験をしていた。
20列植えたら1m開ける方法だ。
私がなぜそのような方法にしたのかの着目点は、田んぼは内側の育成より、外周が良く育つ事にヒントを得た。
外周は内側の稲よりブンケツ数が多い。 
スリットを入れる事でその外周の面積を多くすれば収量も増えるのではないかと考えた。
植えていない面積があるので苗の数も減る。 
一般的には収量は減ると考えるだろうが結果は植えていない面積があるにも関わらず収量は減らないという事だった。
稲の補完作用によるもので、稲はスペースが開けばその分大きく育つ。
捕植をしなくても収量は変わらないのと同じ理屈だ。 

しかし私は昨年までの私の実験の結果に疑問を感じていた。
それは強風に弱くはないかという事と風通しは本当にいいのかという思いだった。
稲は細く背が高いので密生することによって風への抵抗性を保っている。
1mのスリットを入れると倒れる面積も増える傾向があるなと観察していた。
 
私の田んぼは曲線と直線で構成される昔ながらの田んぼの形を持っているが、これまでは直線で植えていた。
今年は外周の曲線に合わせて田植えを行う。
そうすると田んぼの内側にも外周の曲線が生まれる。
しかし、田植え機の内輪差があるので曲線で植えるポイントは条間を広くしなければいけない。
つまり、スペースが開く。
これば部分的のようだが、実際の面積は相当な空きスペースになる。
その証拠に、通常は1反に20枚程の苗箱を使うが、スリットを開けるやり方では18枚程に減り、今回の有機的デザインの田植えでは16枚程になった。
坪45株の田植え機ながら16枚は数値的には30cm四方で植えた疎植植えの理想的な数値に一歩近づいた。
1mも間隔をとる事はないので稲は支えあう事が出来、強風への抵抗性も強くなる可能性が生まれる。
 
今期の収穫量や強風への抵抗性、育つ環境での病害虫への抵抗力などを見極めたい。
私は田植えでの直線構成のデザインよりも可能性を感じている。
 
 
 
 
 
 

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