第3章 揺れる 281話
思い込み 人はその時間が長すぎる。
「不二子はんは現世に戻る時どなんやった?」
「にょきっとにょきにょきっと写真からでてきたえ」
「SFやな」
「しゃーないやんか。ほんまやもん」
「どうや今人間にもどって、どんな感じや?」
「普通や。これが普通なんやな。お化けの頃はどこでも行けたけど、人間になったらそうはいかんくなったわ。おばけは自由でよかったどす」
「でも体が暖かくて、触れる感触があって、食べ物おいしくて。ええこともある」
「そうなんやな」
「どちらでも存在できた」
「そうなんか」
「ええな」
「それやで!」
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