手記
これからの人生について
いつか、これを読んでくれる人がいるかもしれないと思い、少しばかり自分のこれまでと、これからのことを書いておこうと思う。
僕は長い間、写真を撮ってきた。九州に来てから、およそ三十六年になる。風景や人、生き物、そして時間の中にあるものを記録してきた。
写真というものは、僕にとって単に美しいものを残す手段ではない。何を見るのか、どこから見るのか。同じ場所に存在する異なる時間を、どう捉えるのか。そんなことをずっと考えてきた。
現在は京都芸術大学大学院で研究を続けている。取り組んでいるのは「微小位相差論」と「双構図」。長年の写真経験から生まれた、自分自身の考え方である。
いずれ博士号を取得し、微小位相差論を基軸に研究を発表し、本を出版したい。そして展覧会も開きたいと思っている。
博士号を取得した後は、ヨーロッパへ渡るつもりだ。そこで写真を撮り、新しい作品をつくりたい。まだ見ぬ土地で、どんなものに出会えるのか、今から楽しみにしている。
一方で、僕には熊本で続けている田んぼと山の仕事がある。
田んぼを拡大し、農業を事業として成立させながら、生き物や水環境を守る仕組みをつくりたい。山についても同じである。森林や水源、生物多様性を守りながら、継続できる事業にしていく。
僕が目指しているのは、環境保全が経済的にも成り立つ実例をつくることだ。環境を守るという言葉だけで終わらせず、実際に機能する仕組みを残したい。いつか、ここをひとつの見本にできればと思っている。
こうして書き出してみると、まだまだやりたいことが多い。
そして、いつか素敵な伴侶ができたら、人生はまた違った豊かさを持つのだろうと思う。
お互いに自分の世界を持ち、それぞれの歩みを大切にしながら、ときには同じ景色を眺め、ときには旅をする。そんな関係がいい。
何もかもを一緒にする必要はない。互いを束縛することもなく、それでいて、帰る場所にはいつも相手がいる。そんな暮らしに憧れる。
人生は、まだ先が長い。
研究も、写真も、田んぼも、山も。これからひとつずつ形にしていこうと思う。
そして、これから出会うかもしれない人と、まだ見ぬ景色を一緒に眺めることができたなら、それはきっと素敵なことだろう。
そんなことを思いながら、これからの日々を歩いていこうと思う。