多品種混合栽培による病害虫への抵抗性

昨年の写真家の考える米™は3品種の混植栽培であった。この方法で作った稲作の最も特徴的であった事はイモチをはじめ全く稲の病気が発生しなかった事だ。品種はにこまる、ヒノヒカリ、イセヒカリの3品種混合であった。
新潟県のコシヒカリBLはコシヒカリを多品種化して3品種混合で栽培しマルチラインにする事によってイモチへの抵抗性を獲得している。また3年に一度は品種の組み合わせを変えることで病原菌自体の対抗性阻止を獲得しようという研究がなされているという。その結果慣行栽培でもかなりの減農薬が可能となっている。
近代の米は単品種化とそれを売りとしたブランド化で栽培されて来たが、その為病気にかかりやすくなった。 その事で農薬が必要になり、農薬への抵抗性を待ち始めた病原菌に対して薬剤を変えたり、更に強い毒性の薬剤を使うという事態を招いている。米に関して日本ではまだ遺伝子組み換え品種は栽培されていないが、挙句の果ては品種を遺伝子組み換えして抵抗性を作ろうという風潮さえ生まれてくる始末。しかしそれが幾つかの品種を混ぜて栽培するだけで病気への抵抗性を増すという技術への進化を見せ始めている。全くもって歓迎したい。
農薬もなかった頃の明治時代初期の米は多くの品種が混じっていたという。
人類が培ってきた本当に安全な栽培方をこれからの栽培遺産として継承し発展させたいと私は考えてる。
 

人気の投稿