カメラ

カメラを大切にする人がいる。
私は逆の考えで使っていた。
 
買う機種はフラッグシップはかさばるし重いので次の機種が一番使いやすいが、フィルム時代はもっぱらマニュアルが使える低ランク機種を良く使っていた。
フィルムの場合は基本フィルムサイズが同じなら、カメラが高くても安くても写りは変わらない。
寧ろ必要なのはアングル ディスタンス フレーミングの違いや発想の違いが要求される。
特に私はアングルやディスタンスにこだわる。
ローアングルはカメラを地面に接触するまで落として撮影するし、三脚が手元にない時には木や岩にカメラを押さえつけて長時間露光もする。
ビニールなどをかぶせて噴水の中から撮影することもあった。
湯煙のなかでカメラもレンズも曇るので、素早く曇りをとるためにお湯にレンズ前玉を漬けるなどの対応も必要な時がある。
波をくらう位置での撮影など当たり前でカメラ一式お釈迦にした事もある。
撮影現場では時間が勝負だ。
カメラが壊れるのは当たり前でサブのカメラを何台も持って来て撮影するのはプロには当たり前であった。
写さなければ評価されない世界だ。 
 
上記は些細なことだが、そういう感覚で生きているから世間と私にはずれが生じる。
積み重ねは生き方そのものから変化していく。
私は彼らを理解できるが、彼らは私を理解できない。 
ただそれだけの事だ。
大なり小なりそれが理解出来たら生きる事は楽になるよ。
深淵の淵をさ迷う美しい魂を持った人へ。

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